こてつエンジン - 個人イラストレーター「山中虎鉄(コテツ)」のイラスト紹介ページ

2007年01月12日

黒塚

随分前に市川猿之助さんの同名の演目を見て描いたものです。


奥州は安達原、荒野のあばら屋に一人住む老婆。
ある時、道に迷った高僧達に一夜の宿を請われます。

老婆は実は鬼女、高僧達のように道に迷った人々を屠って生きてきました。
高僧達も同じ運命をたどらせんと企むも、全ての罪を赦す御仏の教えを聞き、
胸打たれて落涙してしまいます。


この罪も赦されるのか、
我が娘まで手にかけた、この血塗れの私も赦してもらえるのか。


老婆は高僧達に奥の部屋は見ないようにと告げ、
こころづくしの礼として、暖を取るための薪を拾いに出かけます。

奥の間には屍の山。
酸鼻極まる光景に肝を潰した高僧達は脱兎の如く逃げ出します。


老婆は己の罪を赦された事にこころ浮き立ち、
月光に照らされたすすき野原で、幼女のように舞い踊ります。
高僧達の行いに、裏切ったなと嘆き、怒り狂うこの後の展開を思うと
余計美しく切ない場面です。